スペシャルティコーヒーとは、産地の個性を味わえる、丁寧に栽培・精製・焙煎・抽出されたコーヒーのこと。短く表すならこうです。もっと詳しく言うなら、スコアシステム、信頼関係の上に築かれたサプライチェーン、トレーサビリティ、そしてスーパーなどで売られているコーヒーにはないような焙煎の仕方など——多く挙げられますが、結局はいつも同じ一点に戻ってきます。産地をたどることが出来ること、はっきりした個性の風味をもつコーヒーであること。名もなき深煎りのブレンドコーヒーとは対極です。
専門的な規格
「スペシャルティ」という言葉には正式な意味があります。コーヒーは訓練を受けたテイスターによって100点満点で採点され、80点以上が「スペシャルティ」に分類されます。このレベルの生豆は欠点豆がほとんどなく、特定の農園や協同組合まで生産地を遡ることができるほか、完全に熟した状態で収穫され丁寧に精製されています。80点未満は「コマーシャル」コーヒーで、世界で売られているコーヒーの大半がこちらに分類されています。
あくまでスコアは品質の目安であって本質ではありません。採点では80点を超えていても、特に印象に残らないコーヒーはいくらでもあります。スペシャルティコーヒーを探し求める価値は、スコアが可能にすることにあります。それだけクリーンなロットなら、浅く焙煎して産地の個性を引き出せるのです。ちなみに私たちは85点未満のコーヒーは扱いません。
なぜ味が違うのか
普通のコーヒーは一般的に深煎りです。深煎りは「寛容」な焙煎で、欠点を覆い隠し、どの産地もだいたい同じ味にしてしまいます。ロースティで、苦く、「コーヒー味」。スペシャルティコーヒーは通常浅煎りで、その逆をやります。コーヒーをさらけ出すのです。ウォッシュトのケニアはカシスと柑橘の美しい風味を、ハニープロセスのコスタリカはヌガーや核果、焼きりんごの風味を、コロンビアのピンクブルボンはローズヒップ、ライチ、赤い果実の風味をもつことがあります。これらは後から加えられた風味ではありません。品種、標高、土壌、微気候、精製、乾燥に応じて、豆そのものが宿している風味です。
だからこそスペシャルティコーヒーの多くは、ワインがブドウ畑とヴィンテージで売られるように、農園とロットごとに分けて売られます。ラベルには生産者、地域、品種、精製方法が書かれています。そのそれぞれが、カップの風味を変えるからです。

どこから来るのか——誰が育てているのか
Koppiは多くの農園から10年以上買い続けています。コスタリカでは2010年に最初の長期的な関係を築き、以来大切に育ててきました。コロンビアでは2015年から同じ家族たちと仕事をする幸運に恵まれています。コロンビア・ウイラのフィンカ・ラ・フエンテでは、ヤベド・グアルニソとヨバニ・ラモスがピンクブルボン、ゲイシャ、シドラを栽培。フィンカ・エル・ポルベニールでは、サンドラ・モラとヘクトル・コイがカトゥーラ、パパヨ、ピンクブルボン、ゲイシャを育てています。コスタリカ・タラスのラ・リア、モンテ・コペイ、サンタ・ローサ1900。そしてケニアのカリミクイ・ファクトリーでは、600の小規模農家がひとつのウォッシングステーションにチェリーを持ち寄ります。私たちは現地を訪ね、収穫をまるごと買い付けます。そして、カレン・ブルバノのフィンカ・エル・プラセールの初のピンクブルボンのような格別なロットに出会えば、カッピングテーブルでその場で「ください」と言うのです。以来、彼女の収穫は毎年すべて買い続けています。
この関係こそが「スペシャルティ」のもう半分です。カップの品質は、農園レベルでの細部へのこだわりと、完熟だけを摘み丁寧に精製する手間に見合う対価が生産者に支払われているかにかかっています。生産者を知っているロースタリーは、その手間に対価を払うことができるし、払いたいと思うのです。私たちが働く農園について読む →

違いを味わう方法
特別な器具はいりません。浅煎りのシングルオリジンを一袋買い、淹れる直前に挽いて、好きな方法で抽出してください——V60でも、エアロプレスでも、フレンチプレスでも。そして、少なくとも最初はミルクなしで飲んでみてください。深煎りしか飲んだことがなければ、最初の一杯は驚きかもしれません。軽やかなボディ、果物のような酸、冷めるほどに増す甘さ。3〜4杯続けてみてください。多くの人が、その後は普通のコーヒーが平坦で苦く感じるようになります。
スウェーデンとスペシャルティコーヒー
スウェーデンは一人あたりのコーヒー消費量が世界屈指の国です。とはいえその大半は今も深煎りの名もなきブレンドで、浅煎りの伝統はむしろ例外です。私たちは2007年からヘルシンボリでスペシャルティコーヒーを焙煎し、顔の見える生産者から買い付け、それぞれのロットに語らせる浅煎りを続けています。
どこから始めるか迷ったら:フィルターコーヒーはスペシャルティコーヒーの最も澄んだ表現です。そしてエスプレッソは、それが苦くなく甘くクリーンであり得ることを教えてくれます。




